29. アルストム帝国の凱歌と憂鬱
TGV その2 - 海底を疾走する欧州の星・英仏海峡特急ユーロスター - |
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英国国内線ホームから金網で隔離されているロンドン・聖パンクラス駅
国際線ホーム。Way Out, Sortie という2ヶ国語表記が線の性格を物語る。 |
| 6 「国境の長いトンネルを抜けると英国であった。」
1802年、時の皇帝ナポレオン・ボナパルトにフランスの技術者 Mathieu-Favier が海面上に換気口を所々設ける馬車方式の英仏海峡トンネル案を献言したが、トンネルを抜けた頃には馬糞臭が毛穴まで染み込んでいそうなこの計画は英仏関係悪化で没となった。その後も多くの海底トンネル計画が泡のように浮かんでは消えたが、遂に1994年に英仏海峡は 鉄道トンネル(註26) で結ばれ、現代の駿馬 TGV がユーロスター Eurostar (註27) の愛称で海底を一陣の風と共に35分で駆け抜けた。TGV が遂に大ブリテン島上陸を果たした瞬間でもあった。
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【East meets West】ヨークの鉄道博物館National Railway
MuseumでJR西日本から寄贈された新幹線0系と向き合う
ユーロスターのモックアップと、トンネル断面のイメージ。 |
ユーロスターはトンネル開通と同年11月14日に営業を開始し、英国-フランス、英国-ベルギーの3首都を最高時速300㌔で結んだ。高速新線建設費抑制の為3首都を三角形ではなく中間のリールを基点 (ここに設けられた駅は「欧州のリール Lille Europe 」と命名) に放射状の三ツ矢形に線を引いた為、それぞれ多少 遠回り (註28) になってはいるが、航空機で1時間弱の各区間をロンドン-パリ最速2時間15分、ロンドン-ブリュッセル最速1時間51分で都心同士を直結した威力は絶大で、ロンドン・パリ間の輸送シェアは2007年度で71%と 航空機を圧倒 (註29) している。尚、残りの一辺はパリ-ブリュッセル-アムステルダムという、既に60年代の TEE 時代から高速列車銀座だった回廊の一区間を更に強化したもので、パリーブリュッセルを最短82分で結ぶ。 |
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| (註26) |
カレー Calais とフォークストン Folkestone を結ぶ Channel
Tunnel / tunnel sous la Manche の海底部37.9kmは世界一。全長50.5kmは青函トンネルの53.9kmに次ぐ世界第2位だが、全長57kmのゴッタルドベーストンネルGotthard-Basistunnel
(スイス)が完成すればこれが世界最長の鉄道トンネルとなる。 |
| (註27) |
同じく「欧州の星」の名を冠する列車はイタリアにもある。尚、中国が自力開発を試みた高速列車も「中華之星」を名乗ったが性能に限界があり、日欧からの技術導入に方針を変更した点については次号第30話後半参照。 |
| (註28) |
ユーロスターの好成績を受けて今になってアミアン経由の短絡ルート建設案が出てきているが、需要予測とは難しいものだ。 |
| (註29) |
ここが青函トンネルとの決定的な差で、鉄道の移動時間が約3時間を超えると旅客が航空機に流れる現在の傾向では、全線新幹線で結んでも首都圏⇔札幌の主要旅客を航空機から奪う事はできない。投下資本の回収が見込まれ多くの国の投資家が建設資金を分担したユーロトンネル(運営会社は2006年に一度破綻したが、2007年には初めて黒字を計上するに至った)に対して、日本1国の納税者が半永久的に赤字必至のトンネルの為に巨額の建設費を負担するのだから、経営環境には雲泥の差がある。1987年に当時の大蔵省主計官が戦艦大和・伊勢湾干拓と並ぶ昭和の三大馬鹿査定と呼んだこの青函トンネルプロジェクトは、一票の格差による地方の過剰代表が可能にした側面もあろう。 |
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筆者の世代では「イギリス+先端メカ+Helveticaフォント数字で1から5」と来れば
ついイギリスの名番組サンダーバードを連想してしまう。現在広く普及したフォントであるArialは、
サンダーバードで用いられていた(と思う)Helveticaにそっくりだ。 |
このうち英国区間は高速新線 HS1 (註30) の建設が遅れ、当初は在来線を通勤電車に混じって速度を80マイル (約130㌔) に抑えてちんたら走っていた。この区間は架線が無く、東京地下鉄丸の内線や銀座線のように第三軌条 (第10話参照) から集電する方式だった為、天下のTGVがパンタを降ろして気動車のように丸坊主の線路を走る珍光景がHS1全線開通 (2007年11月 (註31) ) まで見られた。 |
セント・パンクラス駅、2012年。五輪のシンボルが誇らしく掲示された(ユーロトンネル入口にも設置)が、
大時計も隠れてしまうし、どうして中央からずれているのか不思議に思うのは筆者だけだろうか。
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英国には鉄道を時速300㌔で運行する 実績は無かった (註32) 為ユーロスターの車両は仏 TGV をベースに英国規格に合わせる変更 (車体幅縮小・第三軌条からの集電靴設置・多電源対応 (註33) ・多段階自動ステップ設置・前面塗色を黄色の警戒色化等) を行い、また線路容量が限られている為両端機関車が18両もの連接客車を挟む 20両編成 (註34) とし、中型機3機分に相当する750名強を一気に運ぶ事ができる。但しトンネル内の事故の際に半分だけでも脱出できるよう編成中央は連接台車とせず、分離可能な通常の構造にしている。 |
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| (註30) |
海峡トンネル連絡線 Channel
Tunnel Rail Link=CTRL ともいい、2009年からロンドンとケント州を結ぶ時速225㌔の高速通勤列車の運転も計画されている。この車両は 日本製高速鉄道の対欧輸出第1号でもある。 |
| (註31) |
この時のダイヤ改正でロンドン側終着駅はウォータールー Waterloo 駅からセント・パンクラス St.
Pancras 駅に変更されたが、パリ側の終着駅は一貫して北駅 Paris
- Gare de Nord。 |
| (註32) |
英国国産最速の IC225はその名の通り時速225㌔運転を目指して作られた。 |
| (註33) |
仏高速新線は交流25kV(JR新幹線と同じ)、英国在来線の一部は路面電車並の直流750V(しかも架線無し)、ベルギー在来線は直流3kV、このバラバラな規格を直通するのだからユーロスターは実に器用な列車だ。こういう倦む事なき努力を見ていると些細な困難を並べ立てる者が皆愚物に見えて困る。 |
| (註34) |
機関車次位の客車の機関車寄り台車もモーター付としたので1編成中電動台車6台・無動力台車18台となり、1両当たり台車2台の通常の電車に引き直せば3M9Tに相当する。 |
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1等車をビジネス・プルミエーと呼び、駅にラウンジを設ける辺りは航空機のビジネスクラス客をターゲットにしている
事の証左だろう。
車内は2+1の座席配置とはいえシートピッチは欧州の1等車の標準からは狭いが、乗車時間は
短いし、
ライバルの航空機も欧州域内線ではビジネスクラスも前後間隔を詰めているので、これでいいのだろう。 |
| 7 ロンドン以北への延伸
フランス行ユーロスターの大半はパリ行だが一部はアヴィニョンやアルプスまで足を伸ばす。逆に大陸からのユーロスターは全てロンドン止まりだが、スコットランド方面への直通運転の可能性検討の為に、フル編成 (註35) から4両抜いた16両編成 (「North
of London set ロンドン以北編成」*) が GNER社 (註36) にリースされた。(民営化後新車を意欲的に投入しているバージン社とは対照的に) 英国国鉄 BR 時代の煤けた旧式車が多い GNER 車群の中に White
Rose Train の名で突如狂い咲いた超高性能のフランスの白い薔薇は、大いに目立ちつつ2005年頃までロンドン・キングスクロス~リーズ間で運転された。対航空機競争に耐える軌道強化コストが見合わなかったのか、結局ユーロスターのロンドン以北への乗入は見送りと発表された。 |
ヨーク鉄道博物館でマラード号(写真右奥、第28話参照)と共にオーバーホール中のLNER「空飛ぶスコットランド人」。
黒と赤でドイツ機のようだが、取り外されているボディは鮮やかな緑色だ。 |
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第二次大戦中ドイツ軍の爆撃のさなかもロンドン午前10時発の伝統ダイヤを守り通したという英国縦断急行フライング・スコッツマン Flying
Scotsman 号は、かつては世界最速の蒸気機関車マラード号 (註7参照) が属する LNER
Class A4* が颯爽と牽引していたが、今日の牽引機・IC225用91形電気機関車は他の欧州諸国と比べて性能的に見劣りがし、鉄道発祥の地・英国の鉄道技術の地盤沈下を象徴する。折角リースしたユーロスターの North
of London 編成を投入する計画は杳として聞かないままリース契約は終わってしまったようで、色を塗り変えてフランスに戻ってしまった。看板列車にフランス製 TGV を用いるのは大英帝国の沽券にかかわるのだろうか。 |
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| (註35) |
3首都を結ぶフル編成は文字通り「 Three
Capitals set 三首都編成」と呼ばれ、3国の各国鉄 SNCF ・ BR ・ SNCB がそれぞれ同形式を導入したが、英BR保有編成はBR民営化に伴いユーロスター運営会社の子会社が承継。 |
| (註36) |
Great North Eastern Railway 大北東鉄道、2007年12月以降 National
Express 社が事業を承継。 |
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目に見えるシェンゲン協定非加盟の効果。
㊧ パリ北駅で唯一ガラス壁や鉄柵で隔離された英国行ユーロスター専用ホームに入るには一旦
2階の入管(紺色看板の裏)でパスポートコントロールを受けなければならないので時間がかかる。
㊥ブラッセル南駅も英国方面だけが
ものものしい。英国線ホームのみが金網で隔離されているのみならず、発車まで列車の鼻先も金網でブロックされ(矢印)、列車全体が
監禁状態だ。
㊨ カーフェリー用ヤード入口にも、シェンゲン加盟国間の国境ではとっくに廃止された「関所」が今も現役だ。 |
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| 8 欧州統合に距離を置くイギリスと直結するという事
違法入国者 (註37) を警戒する英国が シェンゲン協定 (註38) 未加盟なばかりに、旅客列車用 (上の写真左・パリ北駅) もカーフェリー用 (同右・フォークストン・カーフェリー駅) も入管という関所が必要になり英国直通列車乗場は大仕掛けになる。独伊蘭白等多くの国への国際列車が発着するパリ北駅では、英国方面ホームのみ入管を設けホームを隔離する異様さを、壁をガラス製とする事で目立たないようにしている。欧州統合に向けた大陸と英国の温度差がそのまま駅の構造にも持ち込まれた形だ。メスキータ* に似た赤白縞アーチが印象的なロンドン側終点・聖パンクラス駅もユーロスターホームは在来線とは金網、自由通路とはガラス壁で隔離されている。このガラス壁に沿ってユーロスターの連接台車を眼前にグラスを傾ける事のできる 臨鉄バー* も設けられており、鉄道愛好家はここに寄らない手は無い。
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| (註37) |
英国の懸念は杞憂ではなく海峡トンネル経由の違法入国は後を絶たずその多くがトラックの荷室に潜んだ為、英国は荷物室内部の僅かな心拍音や呼吸音を検知する超高感度の生体反応発見器を導入した。 |
| (註38) |
人の自由移動という欧州経済共同体(当時)の目的の一つを具体化する為、1985年にベネルクス3国と欧州統合の中心メンバーの独仏の5カ国で調印。この翌年には単一欧州議定書が調印され、欧州統合に弾みがつく事になる。脱稿日現在、シェンゲン協定には英・愛以外の全てのEU加盟国とスイス等の周辺国が調印済。参加国間の移動ではパスポート検査を廃止、航空機も国内線ターミナルを利用する。国境標識があるだけのシェンゲン当事国である独墺国境の例はこちら。 |
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欧州の大駅独特のドーム構造(第27話参照)を活かした全天候型オープンカフェ。
鉄道愛好家でなくとも楽しい臨鉄バーで寛ぐ旅人に、洒落た大時計が時を報せる。
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出入国管理に限らず英国は欧州では異質の大国だ。ドーバー海峡を越えるといきなり車は左側を走り、度量衡も変わり、島国の通有性か文字標識が増え、法体系も制定法中心の大陸法 (日本法もこの系譜に属する) から判例法中心のコモンローに一変する。欧州統合にも常に 距離を置き (註39) 、欧州共同体参加は欧州の大国中一番遅く、欧州通貨統合にも未参加だ。川端康成は「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という小説の 第1文 (註40) で (旧) 清水トンネル (約9.7㌔) が貫く本州の脊梁山脈が隔てる関東平野と越後山中の別世界ぶりを表現したが、海峡トンネルの両側の世界の落差は遥かに大きい。この異世界がTGVの技術のお蔭で僅か2時間余で陸路結ばれたというのは素直に感嘆に値する。
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| (註39) |
そもそも欧州連合EUの原型の欧州経済共同体EECは、国家主権を一部委譲した超国家機関に独仏国境地帯の地下資源の管理を委ねる事により戦乱を元から絶つ事を目的とした欧州石炭鉄鋼共同体ECSCの哲学と法技術を経済全般に拡大したもので、独仏連合こそが中核にある。 |
| (註40) |
この後の「夜の底が白くなった。」に対応する第2文を考えるとすれば「羊の数が多くなった。」というところか。 |
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ユニークな技術を採用し車窓も楽しいパリのメトロは、テーマを絞っても2話に収めるのに
苦労した(第18・19話参照)のとは対照的に、閉所恐怖症になりそうな(トンネル壁面との間
に
脱出空間が確保されてい
るかも怪しい)ロンドンの地下鉄は無味乾燥で記事を書く気も起きない。
これら全くの別世界が今や陸路で結ばれているというのは妙な気分だ。
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| 9 ユーロトンネル会社の奮闘
小さな政府を掲げるサッチャー首相 (当時) が税金投入を拒否した事もあり、英仏海峡トンネルは通過列車の線路使用料を収入源とする民営の ユーロトンネル会社* が運営する。通過列車には TGV ベースの上記ユーロスターの他、貨物列車やカーフェリー列車もあるので後者も紹介しておこう。ユーロスターの営業開始に先立ち、英国製機関車 (註41) 2両が巨大な車両運搬車を挟むカーフェリー列車「ユーロシャトル Euro
Shuttle」 (当初の愛称はル・シャトル Le
Shuttle) が開業した。大型トラックもそのまま収容できる貨車は、日本規格より一回り大きい機関車より更に大きく女王蟻の巨大な腹部のように膨らみ、乗用車積載車は余裕の二階建てだ。乗用車の客はそのまま自車内に留まるが、上客の 長距離トラック (註42) 運転手はラウンジで寛ぐ。
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| (註41) |
Class
9 と称し、6軸のF級機で最高時速160㌔。良く見ると照明が IC225 用英国最速機 Class 91 のものとそっくりだ。この中の9025号機と天空のトンネルを行くスイス・ユングフラウ鉄道との相互命名については 第21話 参照。 |
| (註42) |
統計 によると海峡トンネル通過列車中、最も伸びているのがトラックのフェリーサービスだ。 |
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頭部より巨大な胴体は女王蟻を連想させる。機関車寄り扉は上層階、隣の扉は下層階用の入口だ。積載の模様を外部から見た様子は こちら。高い位置に張られた架線に届くよう大上段に振りかざしたZパンタが印象的だ。 |
このユーロシャトルを含め、欧州の 自動車運搬列車 (註43) は私の知る限り全て自走式なので積込はスムーズだ。JRのカートレインを利用した際、車を何とフォークリフトで1台ずつ積み込んでいるのを見てその超非効率に絶句した (案の定廃止になった)。JRの狭幅車体では自走式には狭すぎるとの判断だったのかもしれないが、軌間こそ大陸並だが車体幅はほぼ日本と同じ英国 (ロンドン・ユーストンとスコットランドを結ぶ夜行に連結) も自走式で、何の問題もなかった。自家用車の利便性向上やトラックによる環境負荷低減と運転手の長時間労働防止の為にも、わが国でも簡便なカートレインの普及が望まれる。そもそも建設に巨額の税金を注ぎ込んだ青函トンネルでは (自己責任原理で動く投資家の) 民間資金で掘った英仏海峡トンネル以上の意味で有効利用が至上命題の筈だ。しかし (開通と同時に超高速旅客列車・通常貨物・カーフェリー列車が行き交いフル稼働となった英仏海峡トンネルとは対照的に) 青函トンネル開通後20年余も経た脱稿日現在に至るも、青函自動車運搬列車は 実現に至っていない (註44) 。
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| (註43) |
カートレイン(独:アウトツーク Autozug)は北独・イタリア間等の長距離移動で客は寝台車で過ごす方式を指し、スイスに多い峠越え道の短絡トンネル等、短距離で客が車内に留まる方式の場合はカーフェリー(独:アウトフェーレ Autofähre)というので、ユーロシャトルはカーフェリーの類型に属する。 |
| (註44) |
3首都を2時間前後で直結して地の利のある英仏海峡トンネルより費用対効果が劣る青函トンネルの有効利用の方法の一つを封印してしまう事の論拠として「民業(船会社を指す)を圧迫してはならない」との主張があると報道された。利用者も納税者も視野に無い、相変わらずの供給者のみの視点での議論には、ただ脱力感のみを覚える。 |
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ショッピングセンターの屋内駐車場では無い。シャトル車
二階部分へのスロープ部分の巨大列車の内部である。
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| 10 英国連絡用TGVとマグル界連絡列車が邂逅するロンドン新ターミナル
ユーロスターのパリ側終着駅の北駅が東駅と隣接しているように、ロンドン側終着の聖パンクラス駅もキングスクロス駅と隣接しており、地下鉄 Tube の駅名も「King's
Cross - St. Pancras」と併記されている。ノッティンガムやダービー方面の East
Midlands 鉄道や2012年夏のロンドンオリンピック会場と結ぶ Olympic
Javelin はこの聖パンクラス駅から、また91形電機が牽く前出の急行 Flying
Scotsman 号、ケンブリッジ方面の近郊電車、それにホール級 Hall
Class (註45) 蒸機が牽くホグワーツ城 Hogwarts
Castle 行の魔法列車は、道1本隔てたキングスクロス駅から出る。但し最後の列車は写真下右の石壁を透過した向こう側、9¾番線からの発車だ。
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| (註45) |
Great
Western Railway では中級機をホール(広間)級、その上級機を Castle
Class (城級)と区分してそれぞれ沿線のホールや城の名前が命名されたが、ハリーポッターの撮影に使われた5972号機はホール級機で本名が「オルトン・ホール」号だったにもかかわらず「ホグワーツ城」号の銘が打たれたので、「城になったと勘違いしたホール」と揶揄された。 |
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箒の忘れ物に注意 怪我に注意 |
このように、アルストム社はロンドン以北への延伸こそ攻めあぐねているが、その傑作TGVを海を越えて英国に上陸させるところまで成功した。そして超高速鉄道の市場は欧州外にも広がりつつある。ただ超高速鉄道は巨額の予算を要する国家プロジェクトであるうえ、産業の裾野の広さから輸出先の既得権益との摩擦や、異なる政治体制への対応等の困難は避けられず、超高速鉄道システムの輸出には多くの壁が立ちはだかる。ましてや欧州から遠く離れ、直通運転のメリットをアピールできない国々では壁は一層厚くなる。次号第30話では、この手強そうな石壁を手押トロリーで突破するのに勝るとも劣らないブレイクスルーを見せたTGVの世界戦略の、現在進行形の成功物語と直面する困難をご紹介する。
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(2008年8月) |
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